馬見塚デンタルクリニック

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成功の条件「インプラント手術」

インプラント治療が成功し、きちんと噛めるようになるための重要な条件とは、顎の骨と埋め込んだインプラント体がくっつくことです。これらがくっつくためには、以下の6つの条件が大切だとされています。


1|体に害がないこと

まず、体にとって害を及ぼさない材質を使うことです。現在、用いられている材質はチタンです。チタンはアレルギー反応を起こしにくく、骨折の手術の時に骨を留めるネジ、骨の代わりとしても広く応用されているので安全性が証明されていると考えます。


2|インプラント体の形

ねじ、筒、板インプラント体の形は今までに様々なものが考えられてきましたが、主だったものには、スクリュータイプ(ねじ型)、シリンダータイプ(筒型)、ブレードタイプ(板型)があります。現在は、スクリュータイプ(ねじ型)が骨との接触面積が多く、ねじ山に沿って骨が入り込むのでくっつきが良いとされ主流になっています。他の形のものは日本でインプラント治療が行われ始めた頃に使われていましたが、その形態から破損が生じやすかったり、埋め込むための穴が大きく安定性が悪いため、ほとんどが衰退していきました。


3|インプラント体の表面性状

インプラント体はチタンでできていることを前に説明させていただきました。その表面を5000倍に拡大したものが下の写真です。この写真から分かるように、表面には多くの凹凸があり、骨の細胞が入りやすくなっています。

チタン拡大写真骨は破骨細胞という骨を食べてしまう細胞と、骨芽細胞という新しく骨を作る細胞の2つの細胞により、常に古い骨から新しい骨へと置き換えられ続けています。この細胞の働きが骨とインプラント体の間にも起こり、骨がくっついていくのです。インプラント体と骨の間は、1つの異物も介すことなく密接にくっついています。生体はとても繊細なので、生体がインプラント体を異物だと判断しては骨とくっつきません。つまりインプラント体を骨の中に埋め込むまでにインプラント体を汚染させてしまうと、骨はくっつかないのです。そのため、インプラント体を埋め込むまで、インプラント体を汚染させないことがとても大切なのです。

インプラント体の表面性状を簡単にいうと、表面がつるつるなのか、ざらざらなのかということです。ブローネマルクが開発したオリジナルはつるつるのものでしたが、骨にくっつくためには、可能な限りインプラント体の表面と骨との接触する面積が広いほど良い等、様々な理由から、現在はざらざらのものが主流になっています。

チタン拡大写真


4|手術の技術

治療にあたる臨床家の力量が重要です。

上手か下手かということや、特別な技術が必要なのではなく、科学的根拠に基づいた技術と知識が大切なのです。この科学的根拠とは何かというと、長い年月研究を重ね安全だと実証されていることです。手術に重要な、インプラント体と骨のくっつくための技術のポイントは次の2つです。


ポイント1:骨の火傷

骨の火傷は骨の細胞を殺してしまうため、インプラント体と骨のくっつきを妨げてしまいます。そのため、いかに火傷を与えずにインプラント体を埋め込む穴を骨にあけるかが重要なのです。そのためは、骨を削るドリルは毎回新品のものを使用します。新品で切れの良いドリルを使うことで、骨を削る際に発生する摩擦熱を減らし、火傷を防ぐことができるのです。そして、骨を削る機械もインプラント治療専用のものを使用します。この機械はドリルの回転速度を精密にコントロールします。決められた速さで削ることでも、骨への摩擦を減らし、火傷を防ぐのです。


ポイント2:感染対策

お口の中という狭い範囲の手術でも、大事な体の一部であることに変わりありません。まして、インプラント体という人工のものを体内(顎の骨)に埋め込む手術です。壁や床も消毒し、空気清浄機を用いて空気中の浮遊物を取り除き、室内に置く様々な機械類も全て消毒するなど可能な限り雑菌を排除したきれいな環境で行うことでも、インプラント体と骨のくっつきをより確実なものにします。もちろん手術を行う術者も、お腹の手術と同様の方法で手洗いをし、使い捨ての減菌された術着を着用するなど細心の注意を払うことはいうまでもありません。


5|患者さんのお口や体の状態

基本的に年齢に関係なくインプラント手術を受けることができます。例えば、全身的な病気を伴っていても医科の主治医と十分に相談してケアーすることで、ほとんどの場合手術が可能になります。ただし、放射線療法を受けた場合は、骨の質が変性してしまうため、インプラント体と骨がくっつきにくくなるので手術が難しいとされています。インプラント手術に最も重要な条件は、顎の骨の状態です。つまり、インプラント体を埋めるために骨の幅や厚みがあるかどうかが大切になります。そのために、通常のレントゲン写真や、場合によってはCTなどを使用して検査を十分に行い、手術が可能かどうか診査します。

またそれ以外に次のようなことを考慮しなければなりません。

  • 全身の状態
  • 年齢
  • 感染
  • 喫煙

6|術後の患部への負担

インプラント体と骨がくっつくための最後の条件は、術後、インプラント体に負担をかけないようにすることです。それでは、いつ、噛むことができるのでしょうか。本来であれば、歯がないために行う手術です。すぐにでも噛めるようになることを期待してしまうかもしれません。しかし、骨折した場合、ギプスをつけて出来るだけ動かないようにするのと同様に、インプラント治療も骨の治りを待つことが大切です。その期間は、上顎で4~6ヶ月、下顎で3~4ヶ月程度必要になります。骨に負担をかけないことで、インプラント体と骨のくっつきをより確実にするのです。

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