馬見塚デンタルクリニック

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インプラント治療について

インプラント治療の安全性

インプラント治療の安全性

禁忌症とは、インプラント治療が行えないような状態のことをいいます。文献を見ると、高血圧症、糖尿病、心臓疾患、喘息、そして血友病や急性白血病などのように出血しやすい疾患などが挙げられていますが、これらの病気の方の全てが、絶対にインプラント治療を行うことができないというわけではありません。治療を行うことで期待される成果とリスクを、治療を受ける患者さんと全身疾患を担当する医師と歯科治療を行う歯科医師が、他の治療法と比較、検討して決めていきます。

例えば、糖尿病の方はきちんと医科を受診し治療をうけていただき、HbA1-c(過去1ヵ月の平均的な血糖値)をチェックします。この値のコントロールができていないと、免疫力が低下し、感染しやすくなる場合があります。医科の担当医と直接連絡をとらせて頂き、HbA1-cの数値によっては手術を見送る場合もあります。逆にきちんとコントロールできていれば、全く問題なく手術を行うことができます。インプラント治療だけでなく、その他の治療にも利益と不利益が必ずありますので、その両方をよく理解し、治療を選択していく必要があります。


インプラント治療における適応症について

禁忌症と反対の意味である『適応症』についてです。適応とは「ある環境、その他の条件にそのものの調子がうまくあうこと」をいいます。(日常使う言葉で、適応能力という言葉も同じ意味です。)適応症のなかにも、絶対的適応症と相対的適応症の2つがあります。インプラント治療におけるこの2つの言葉の説明について、例をあげてご説明します。

絶対的適応症:

インプラント治療ができる全ての条件(骨の状態、健康状態、経済面、患者さんの精神面など)が揃っている、かつ他に治療法がない症例。つまりインプラント治療を拒む理由が1つもない症例。

相対的適応症:

インプラントの他にもいくつか治療方法があり、他と比較させて、治療法を選択する症例。

例えば、インプラントが可能な全ての条件をクリアしていても、患者さんご自身の希望が他の方法だとしたのならば、これは絶対的適応症ではありません。また、患者さんはインプラント治療を希望していても、お身体に病気があり、担当医師に手術はできませんと止められたら、もちろん手術はできません。

私たちの説明が患者さんに伝わっていない、または説明していなければ、正しい情報を患者さんは得られません。たとえインプラント治療の絶対的適応症にあてはまる患者さんがいたとしても、またインプラント治療が最善だとしても、患者さんはインプラント治療を知らずに他の方法を選択するでしょう。インプラント治療に関してだけでなく、私たち医療従事者は、患者さんがちゃんと選択できるように正しい情報を与え、かつアドバイスをすることができなくてはなりません。そして患者さんは、その治療を受けることの利益と不利益を考えて、治療方法を選択すべきなのです。選択をする時は、利益にばかり目がいきがちで、情報を出す側もその利点ばかりを強調しすぎている節があります。もちろん得られる利益も大切ですが、そのために引き起こされる可能性のある不利益にも注目すべきではないでしょうか。この不利益なら自分は受け入れられると思う治療を選択することで、後悔することは少なくなると思います。


既応歴について

既往歴とは過去にかかっている疾患の経過のことをいいます。分かりやすく言うと、現在かかっている病気と過去にかかったことのある病気の症状や経過、治療内容、服用している薬などのことをいいます。私たちは、初診でお見えになった患者さんに、必ずこの既往歴についてお伺いします。ではなぜ、そのようなことを患者さんにお聞きしなければならないのでしょうか。

実は、虫歯の治療のような一般的な歯科治療自体が、直接お身体に負担をかけることは少ないのです。しかし、治療に対する恐怖感や緊張によるストレス、そして治療の際に用いられる薬剤やインプラント手術のような外科処置は身体に対してストレスとなり、特に高血圧や糖尿病、心疾患などをお持ちの場合、重大な影響を及ぼす可能性があるのです。
私たち医療従事者は、治療を安全に行わなければなりません。そのため、皆様のお身体について現在の状態だけではなく、過去からの既往歴を把握することで、リスクを少なくすることが可能となるのです。また服用しているお薬があればその情報から薬品の副作用や併用から引き起こされるリスクを少なくする事も可能です。

例えば麻酔の場合は、麻酔薬の中には血管収縮薬が入っているので高血圧の方は局所麻酔の注射を受けるだけで血管が収縮され、さらに血圧が高くなる可能性があります。そのため、高血圧の方には血管収縮薬の入っていない麻酔薬や血管収縮薬を倍に薄めた麻酔薬を使用し、モニターをつけて血圧を測定し、血圧の急激な変動がないかを確認しながら治療をする等の注意が必要です。麻酔薬にアレルギーがある方は、再び同じ麻酔薬を使用することで、アレルギー症状が重篤にでる場合があるため、事前にお話いただくことが大切です。

このように、皆様が歯科治療とは関係ないだろうと思われることが、治療に大きく影響することがあります。そのために、私たちは皆様に既往歴をお伺いしているのです。


スクリーニングについて

上記で、インプラント治療における禁忌症、適応症、既往歴についてお話をさせていただきました。これらのことを患者さんにお伺いすることを、医療用語では『術前のスクリーニングを行う』といいます。インプラント治療において、この術前のスクリーニングが治療を安全に、そして確実に行う上でとても重要なのです。

スクリーニングとは、「ふるいにかけて条件に合うものを選び出すこと」「選別」を意味します。インプラント治療における術前のスクリーニングとは、インプラント治療を希望される方の全身的状態、精神的状態、口腔内の状態について診査を行い、インプラント手術(麻酔や外科手術)をおこなうことによって得られる利点と欠点を考慮した上で、インプラント治療が可能かどうか、また適切かどうかの判断をします。必要なスクリーニングを確実に行うことが、インプラント手術を成功させるための第一歩であり、最も重要なことなのです。


インプラント治療の利点と欠点

インプラント治療の利点は、2つあります。
  • 自分の歯のように、違和感なく噛むことができる
  • まわりの歯にダメージを与えずに治療ができる
次に、インプラント治療の欠点についても触れておきます。
  • 外科的処置を伴う
  • 治療に期間を要する
  • 保険診療対象外のため、費用がかかる
  • 定期的なメンテナンスを受けなくてはならない

インプラント治療と他の治療法との違い

歯を失った時に考えられる治療として、インプラント治療以外にブリッジや義歯があります。ブリッジは、固定式であるため、装着しても違和感があまりなく、また、人工の歯の材料を選択することにより、天然歯と遜色のない審美的な修復が可能です。しかし、ブリッジを固定するために、たとえ健康な場合でも両隣の歯を削らなくてはならないのです。

義歯は、ブリッジのように健康な歯を削らずに補うことができます。両脇の歯にバネ(金属)をかけて固定するため、取り外しができ、手入れも簡単ですが、構造的に外れやすく違和感もあります。両脇の歯への負担は大きく、噛む力も健康な状態に比べて30%~40%位に減少してしまいます。また、義歯を装着する場所によっては、バネ(金属)が見えてしまうため、審美的な面で問題があります。以上からも分かるように、健全歯に何の影響も与えずに治療ができ、ご自身の歯と同じように噛める唯一の治療がインプラント治療です。

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